新堂みかんについて
果樹王国、和歌山県北部に位置する有田地方の新堂地区で栽培されているみかんを「新堂みかん」と呼びます。
有田みかんという大きな枠の中でも特に栽培条件に恵まれた土地で開けた園地は、すばらしいみかんを育てる数少ない土地であると言えます。また個人選果であるため栽培から荷造り、出荷までを生産者個人が一貫して行うことで、消費者の方の信用も得てきました。
和歌山の大きな太陽と、青い海からの潮風、新堂という土地でみかんを作れることに感謝しながら、古くから伝えられてきたみかんづくりの心と技術で、絶えず美味しいみかをつくり続けていきます。
産 地
全国に知られたみかんの産地、有田。その最も西の端、紀伊水道に突き出した半島のいよいよ海に沈もうとするところ、そこで拓けた小さな集落が、新堂地区です。
その新堂地区の背後に横たわる山を造っているのは、緑泥片岩という濃い緑色の変成岩で、この岩が風化した粘質の土壌が色が濃く、味の濃いみかんをつくり出しています。
さらに全園南向きという豊富な日照量、潮風によって運ばれるミネラル、これら諸条件と、生産者の弛まぬ努力がみかんの最適地をつくりあげてきました。
みかんの樹にも個性があって、
それぞれに合わせてやる。
子供を育てるように。
ひとつとして同じ樹がないということは、それぞれに合った育て方がある。
みかんの樹が植わっている環境や、近年変動著しい気象条件を考慮しつつ、水分管理、着果負担、肥料を適度なストレスを与えながら育てる。甘やかし過ぎず、たくましく育てることで「力」あるみかんができると考えます。生産者それぞれが親となり育て上げたみかんは、親の想いが詰まったみかんであると言えます。
最後の最後まで、手作業で。
個選とは、生産者が共同出荷場にみかんを持ち寄って荷造り、出荷することに対して、生産者個人が自らの手で選別、荷造り、出荷をすることを言います。ひとつのダンボール箱に同じ生産者のみかんが入ることになり、味のばらつきが少なくなります。
荷造りに関してはまず、大きさを揃える工程後、みかんひとつひとつを手に取って選別し、食味や外観を揃えます。また、この工程で腐敗の原因となる小さな生傷も見逃さないよう細心の注意を払います。
こうして選果されたみかんはダンボール箱に丁寧に詰められ、すべて卸売市場へと出荷されます。
また個人選果ですので、ダンボール箱には生産者の屋号が表記されます。
一年に一度しか答えが出ない。
底冷えする早朝の市場で、今年の仕事が評価される。
冬の数ヶ月に向けて、一年間、仕事をしてきました。予測不可能な気象条件と戦いながら、蓄積された経験と技術、決して裏切らない仕事量をもって仕上げたみかんは、せり台の上で値段を付けられていきます。
せり台、いわば晴れの舞台で恥ずかしくないものを見せられるよう、日々、真面目にみかんと向き合っていければと考えます。
積み重ねたこと。
大正14年に現在の「新堂みかん出荷組合」という組織形態となり、それ以降長年に渡り京都市場絵を主力として販売してきました。
昭和40年代、全国的にみかんの生産量が増加し、大豊作の年には生産過剰のために共選加入の話もありましたが、各農家個人が責任を持つ個選にこだわり、いま現在も屋号を明記した出荷体系を維持しています。
現在、総出荷数のおよそ7割を京都市場に出荷しており、平成27年京都市より、長年にわたり高品質なみかんを多量且つ計画的に出荷していると感謝状を頂くこととなりました。